第72回卒業式を挙行いたしました


令和3年3月1日(月)第72回卒業式が本校講堂で行われました。今年度は、新型コロナウイルス感染予防のため、来賓と在校生の参加は見送り、卒業生と保護者、教職員のみで行われました。また、学校長の祝辞の短縮をはじめ、式を簡素化し例年よりも短い式となりました。卒業生をはじめ、参加者はマスクをして式に臨みました。

各教室での最後のロングホームルームでは、担任から全員に卒業証書が渡され、基高での3年間を振り返り、一人ひとりが思い出を語り、心に残る素晴らしい式となりました。




卒業式の様子をダイジェストでご覧ください。

 

校 長 式 辞(全 文)

式 辞
 広島城の木立やお堀の佇まいに春の訪れを感じ始めたこのよき日に、PTA会長 脇谷孔一 様並びに保護者の皆様のご列席のもと、広島市立基町高等学校第七十二回卒業式を挙行できますことは、この上ない慶びであり、深く感謝申し上げます。
357名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。本日、皆さんが本校教育課程を無事修了されたことに、教職員を代表して心よりお祝いを申し上げます。
72回生の皆さんは、これまでの卒業生が経験したことのない高校三年間だったのではないでしょうか。一年生の時は西日本豪雨のため文化祭の一般公開が中止となりました。そして今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、今まで日本中が経験したことのない一年になってしまいました。
四月に新年度が始まったばかりなのに、政府が非常事態宣言を発表し、全国一斉の臨時休業。六月になってやっと教育活動の再開。しかし、部活動等は十分にできず、県総体等も中止。多くの三年生が引退試合や大会を経験することができませんでした。学校が再開されても、感染症対策で三密を避けるため、文化祭や体育大会といった行事の中止。日々の検温、マスクの着用等、様々な制約がありました。学習の遅れも指摘され、授業時間の確保のために夏休みの大幅な短縮。それでも皆さんは前を向いて学校生活に一生懸命取り組んでくれました。
教育活動が再開された六月一日の朝、私は4階のエスカレーター前に立ち、生徒の皆さんに「おはよう」と挨拶をしていました。皆さんも「おはようございます。」と元気に挨拶を返してくれながら登校してきた姿を私は忘れることができません。それは「学校というものは、生徒の声が聞こえてこそ学校である。」と痛感した瞬間だったからです。授業についても、対面で実際に行ってこそ授業であるとも感じました。私は何度か三年生の日本史の授業を教科担当の先生が不在の際に代わって行いましたが、どの授業も熱心に受講してくれ、私に教える喜びを再認識させてくれました。コロナ禍の影響で、ソーシャルディスタンスという言葉が飛び交う中、人と人との触れ合いの大切さや温もりを一層感じた一年であったと思います。だからこそ、皆さんにはSNS上でのやり取りではなく、実際に顔を見て意思を通じ合う関係を大切にしてほしいと思っています。
基町高校の目指す教育は校歌にしっかりと謳われています。平和を希求し、文化を追い求め、互いに手を取り、切磋琢磨しながら明るく楽しく教え合い、学び合うという教育です。皆さんはこの基町高校での三年間の学びの中で、しっかりと平和を愛する心、挑戦することの大切さ、学び続ける力、現状を受け入れる強さを身につけてきました。これからも人と人との繋がりを大切に、お互いを尊重し、思いやる心を持ち続け、自分の信じる道をしっかりと歩き続けてください。私たち教職員は、いつまでも皆さんを応援し続けます。
今年度はコロナ禍のために、講堂に集まって校歌斉唱をすることが一度もできませんでした。このあと、皆さんが歌う校歌が、今年度最初で最後の校歌斉唱です。マスクをしたままではありますが、一年間の基町高校での生活や仲間との思い出を噛みしめながら、心を込めて校歌を歌ってください。
保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。入学以来、本校教育に温かいご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。今日、お子様は卒業していかれますが、末長くご縁をいただきますようお願い申し上げます。これからも、保護者の皆様や卒業生の皆さん一人ひとりの人生が、幸多きことを祈念して、式辞といたします。

令和三年三月一日

広島市立基町高等学校
校 長  横 山 尚 司