令和4年度 第76回 入学式を挙行しました(学校長式辞 掲載 4/11更新)

 令和4年度入学式を、4月7日(木)に本校講堂にて挙行いたしました。今年は暖かい日が多く、広島城の桜も満開を過ぎていましたが、朝早くから多くの新入生、保護者の方が記念撮影をされていました。
 本日、新入生362名が、新たに基高生として加わります。自主自律を目指して、これから3年間有意義な学校生活を送れることを願っています。

入学式の様子(ダイジェストムービー)

入学式フォトギャラリー



学校長式辞
 第76回入学式 式辞


 穏やかな陽気の中、広島城の桜が満開を迎えると、グランドからは明るい声が、講堂からは軽やかな演奏が聞こえてきます。基高生が躍動を始めたこのよき日に、PTA会長 脇谷孔一様をはじめ、保護者の皆様のご列席のもと、広島市立基町高等学校第76回入学式を挙行できますことは、私たち教職員・在校生にとりまして大きな慶びであります。
 ただいま、入学を許可しました362名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。本校を代表して皆さんの入学を心から祝福し歓迎いたします。
 皆さんは、厳しい入学者選抜を突破して、本日、晴れて基町高等学校に入学しました。本校は、これまで2万8千名を超える卒業生を輩出し、多くの同窓生が各界で活躍されている伝統ある高等学校です。平成11年からは、普通科普通と創造表現コースが両輪となって、お互いに刺激し合いながら切磋琢磨し、多くの実績を積み上げてきました。また、校舎は、被爆後百年の広島において残すべき重要な建築物の一つとして、「ひろしま2045:ピース&クリエイト」事業の指定を受けて造られたものです。その意味で、この校舎は平和のモニュメントでもあり、広島市民の願いを表したものです。したがって、皆さんには伝統を受け継ぎ発展させると同時に、将来、世界の平和や人々の幸福に貢献するという大きな期待がかけられています。
 さて、新入生の皆さん、皆さんがこれから歩んでいく時代は、新型コロナウイルス感染症が世界中に瞬く間に拡大し、AIやビッグデータ等を駆使して有効な対策を模索していることに象徴されるように、地球規模の人類共通の課題の解決が求められるとともに、グローバル化やデジタル革新が加速度的に進み、予測困難な変化の激しい社会になると言われています。また、今私たちが直面している気候変動や自国第一主義の指導者の台頭による国際秩序の動揺などの喫緊の課題は、政治や経済の状況、文化や宗教などが異なる各国の意見が対立し、有効な対応が行えず深刻化しています。この対立を乗り越えていくためには、各国が心を通わせて厚い信頼関係を築き、お互いの立場の違いを理解しながら歩み寄れるよう粘り強く合意形成を図る必要があります。今求められていることは、相手を論破して自分の正義や力を誇示することではなく、相手を理解し共感することにより、ともに手を携えて前進していくことです。
 本校の生徒には、これからの変化の激しい社会の舵取りを担うとともに、それぞれの進む道で世界の架け橋となることが期待されています。
 皆さんには、こうした期待に応えられるよう、本校の校訓である「自主自律」の精神のもと、夢を育み「志」に高めてもらいたいと願っています。夢は、机について考えて見つかるものではありません。勉強や部活動、学校行事やボランティア活動などに本気で取り組み、様々なことを感じる中で見つかるものではないでしょうか。そして、その取組の中で自分の頑張りが他の誰かの喜びに繋がる経験を積み重ねていくことを通して、自分の夢を見つけ、それを「志」へと高めていくことができるのです。
 そして、その「志」の実現に向けて大切なことは、本校のサブモットーである「継続は力なり」を実践することです。皆さんは、「〈1.01〉と〈0.99〉の法則」の話を聞いたことがありますか。その差はたったの0.02ですが、この僅かな差が積み重なると大きな違いが生まれてきます。この2つの数字をそれぞれ365回掛け算すると、約37.5もの差が開くのです。365という数字は1年間を意味しており、日々1%頑張って努力を続けた人と、1%手を抜いた人とでは、1年後には大きな差がつくのです。これが3年間積み重なるとさらに大きな差となります。「志」の実現に向けた日々の努力を大切にしてください。
 もう1つお願いしておきたいことは、この新たな出会いを大切にしてもらいたいということです。皆さんとここに集った同級生や先輩、先生方との出会いは偶然かもしれませんが、見方を変えると、それぞれがこれまで多くの決断をした結果、会うべくして会ったとも言えるのです。「人は一生のうち逢うべき人に、一瞬早すぎず、遅すぎず必ず逢うことができる」という言葉がありますが、その出会いを生かせるかどうかは、自分次第です。ですから、異なる考え方の人を初めから遠ざけるのではなく、相手がなぜそう考えるのか、なぜ自分の考えが受け入れてもらえないのかなど、その背景から考えるようにすれば、お互いの考え方の違いを認め尊重し刺激しあえる良い関係になれるのではないでしょうか。本校への入学を機に、人間関係の幅を広げ、生涯の友や師と呼べる一生の財産となる人間関係を築いてもらいたいと願っています。
 終わりになりますが、保護者の皆様、今、目の前にこうして立派に成長されたお子様の晴れ姿をご覧になり、喜びも一入のことと存じます。心からお祝い申し上げます。
 大切なお子様をお預かりし、本日から三年間、お子様の夢を「志」へと高めるとともに、心身ともに逞しく成長できるよう、教職員が一丸となって支援し、また鍛えてまいります。どうか、本校の教育活動に対し、ご理解とご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 結びに、新入生の皆さんが一日も早く基高生としての自覚と誇りをもって学校生活を謳歌されますことを祈念し、式辞といたします。

令和4年4月7日

広島市立基町高等学校
校 長  德丸 憲之